50周年 Anniversary

安心した暮らしと社会のために
わたしたちは造りづづけ、創り出します。

公式YouTubeチャンネル
公式FACEBOOK
公式Twitter
  • ブログ東海理研だより
  • RECRUIT採用情報/インターンシップ
  • お問い合わせ・ショールームの見学申込み
  • TOKAIRIKEN BLOG東海理研だより

    【新入社員卒業制作 第1弾】 "ゆるかわ"ならぬ"ごつかわ"!? 存在感抜群の小物入れ

    には、“ゆるかわ”(※1)があふれています。しかし、流行しているものは、最先端とは言えません。トレンドを追うよりも自分が本当に欲しくなるものを創りたい…と思いました。
    (※1:ゆるくてかわいいの略)

    ↓これは小物入れです。

    見て下さい、この重厚感っ!

    このたたずまいを見て、かわいい!と思われた方、素晴らしいです。
    ですよね!

    “ゆるかわ”はもう古い!これからは、“ごつかわ”(※2)だーっ!!!
    (※2:ごつくてかわいいの略)

    ・・・(笑)

    はいっ。それでは、この「“ごつかわ”小物入れ」の成り立ちをお話させて下さい。

    存在感抜群の理由とは?

    小物入れといえば、プラスチックで作られた軽くて安価なものを想像されるかもしれません。しかし、中に入れるのは小物といっても、安いとは限りませんし、むしろ貴重なものかもしれません。例えば、大事にしているクロームハーツ製の指輪。


    出典:クロームハーツ リングカタログより

    そこで、せっかくなら入れ物に「信頼性」を求めたいと思いました。

    • 東海理研には、板金加工のルーツがありますから、「金属」が得意です。
    • 軽さを捨てて、金属でつくることによって耐久性がぐんと向上します。
    • 製品は重くなりますが、プラスチック製にはない存在感を発揮するようになります。

    俺の大事な〇〇を預けて大丈夫なごつかわ小物入れ。

    目指したのはそれです。

    引き出しのサイズはA4、文庫本、カードの3種を十分にカバーして、なおかつプラスチックには出すことができない、金属の重厚感にあふれた製品を製作することができました。これは世界に一つしかありません。

    念じれば出てくる訳ではない…。

    ちろん、この世界に1つの作品も、頭の中で想像しているだけでは、作られる筈がありません。完成形から、どの溶接が必要か?曲げる角度は何度か?と逆算していき
    平板で形取れる様に設計図面を書くことから始まります。

    金属には展性や延性といった性質がありますが、曲がった部分では、金属自体の伸びや縮み、板厚を考慮して、展開する必要があります。これまでに図面を描いた経験が無かったこともあり、外観図、展開図、部品毎の図面…etcと増えていき、最終的には約20枚図面を描いていました。もちろん、この最初のステップが肝心なので妥協するわけにはいきません。指導担当者の先輩からも何度もやりなおしを頂きました。普段意識はしませんが、身の回りに物はたくさんあります。しかしながら、ものを作るということは大変な過程が必要になるのだな、と思う経験になりました。

    No Pain, No Gain.

    うやく完成した図面。けれども挑戦に失敗はつきものかもしれません。引き出しの取っ手部分は、180度曲げ(ヘミング曲げ)といった加工を考えていました。180度なので、丁度折り返しの構造になっています。

    2段ある内、下段の取っ手の長さを決定し、上段の取っ手の長さは下段の値をそのまま使えると考えていました。しかし、下段より上段が高いために、取っ手部分に小指すら入らないという問題や、取っ手部分が長すぎる為下段が開かない問題、そもそも外箱に引き出しが収まらない問題等が発生しました。これらは平板に製品の展開データを送る、展開工程で発見された為に、すぐさまデータを修正することができましたが、もし修正が無ければと思うと今でもぞっとします。

    製作にご協力いただいた製造課の先輩方、どうもありがとうございました。

    Written by 奥書院 & マツケン & あども